2022年4月「石仏群」
どれだけの涙が流れたのだろう。どれだけの笑顔が弾けたのだろう。どれだけの悲しみがあったのだろう。どれだけの愛があったのだろう。どれだけの血が流れたのだろう。
幾多の雨が降ったのだろう。幾多の陽が昇ったのだろう。幾多の風が吹いたのだろう。幾多の雲が過ぎたのだろう。幾多の戦いがあったのだろう。
月は満ち、やがて欠け。花は枯れ、やがて芽吹き。川は流れ、地を満たし。
戦乱に斃れた兵士たち、巻き込まれた多くの民。いくつもの戦乱があった。人はなぜ戦うのだろう。どうして流さなくてもいい血を流すのだろう。どうして罪なき者を葬るのだろう。
それでも、季節は廻る。そして今年もまた桜が咲く。
悠久の時を越え、深い眠りにつく石仏群。桜と青空が平和を伝えている。ミサイルの飛ばない青空に・・・。
2022年4月1日