クローズアップ『アスカNEWS◇2024年8月号』

令和7年4月から育児休業給付金の支給対象期間延長手続きが変わります

これまでは、保育所等の利用を申し込んだものの、当面入所できないことについて、市区町村の発行する入所保留通知書などにより延長の要件を確認していましたが、令和7(2025)年4月より、これまでの確認に加え、保育所等の利用申し込みが、速やかな職場復帰のために行われたものであると認められることが必要になります。

見直しの背景・経緯

内閣府地方分権改革有識者会議における「令和5年の地方分権改革に関する提案募集」において、自治体から

・保育所等への入所意思がなく、給付延長のために申し込みを行う者への対応に時間が割かれる

・意に反して保育所等への入所が内定となった方の苦情対応に時間を要している

として、見直しの要望があり、「令和5年の地方からの提案等に関する対応方針」(令和5年12月22日閣議決定)において、「育児休業給付の期間延長については、保育所等の利用調整における市町村(特別区を含む。)の事務負担を軽減するとともに、制度の適切な運用を図るため、公共職業安定所(以下、「ハローワーク」という。)において延長可否を判断することを明確化する方向で検討し、令和5年度中に結論を得る。その結果に基づいて必要な措置を講ずる。」とされました。
 これを受け、厚生労働省労働政策審議会に「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱」を諮問・答申の上、雇用保険法施行規則を改正し、手続の見直しを行いました。

育児休業給付金の支給対象期間延長手続き|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

新たに提出が必要になる書類(令和7年4月以降の延長)

(新)育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書

(新)市区町村に保育所等の利用申し込みを行ったときの申込書の写し

(変更なし)育児休業給付金支給申請書

(変更なし)市区町村が発行する保育所等の利用ができない旨の通知(入所保留通知書、入所不承諾通知書など)

 

何を確認するのか「育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書

新たに提出することになった「育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書」では、以下の①~③のすべてを満たしているかを確認します。

① 原則として子が1歳に達する日の翌日以前の日を入所希望日として入所申し込みをしているか

② 申し込んだ保育所等が、合理的な理由なく自宅から通所に片道30分以上要する施設のみとなっていないか

③ 市区町村に対する保育利用の申し込みに当たり、入所保留となることを希望する旨の意思表示をしていないか

育児休業の延長を目的として、

保育所などへの入所の意思がないにも関わらず入所を申込み

その保育所などに入れなかったことを理由として育児休業の延長を申し出ている場合は、

育児休業の延長の要件を満たさないことになります。

また、第一次申込みで保育所などの内定を受けたにもかかわらずこれを辞退し、第二次申込で落選したような場合にも、内定を辞退したことにやむを得ない理由がない場合には、育児休業の延長の申出はできません。

※申込時点と内定した時点で住所や勤務場所等に変更があり、内定した保育所などに子供を入所させることが困難であったこと等

上記以外にも、育児休業の延長には必要な要件があります。しっかり確認してモレのないよう準備したいところです。

育児休業給付金の支給対象期間延長手続き|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

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本記事は、社会保険労務士法人アスカ総合事務所と顧問契約いただいているお客様にお配りしている「アスカNEWS」から抜粋・編集しております。

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