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あいかわらず暑い日が続いているが、夏の射るような日差しが少し遠慮し始めているようにも感じる。頬に絡みつく風もほんの少し乾いている。見上げてみれば、空も高くなっている。都心の夕空のキャンバスには幾筋もの飛行機雲が描かれている。

子供の頃、一本の飛行機雲を眺めて思った。何処から来たのだろう?何処に向かっているのだろう?誰が乗っているのだろう?いろんなことを創造した。のどかなものだった。

今日の飛行機雲は、ほとんど商用で搭乗している人たちの軌跡であろう。東へ西へ、北から南へと縦横に飛行機雲が走っている。さまざまな人たちがいろいろな仕事で動いている。パートナーもいればライバルもいるであろう。茜色に染まり始めた空の上の“競演”である。飛行機雲といえば刻々と容姿を変え、一日の終わりにふさわしい“共演”をしている。

こんなにのんびり夕空を見ているのには、理由がある。時代が猛烈なスピードで動いている。シンギュラリティだの、ブロックチェーンだのCASEだの判りそうでよく判らない言葉のオンパレードである。5G(第5世代通信規格)も数年でやってくるという。すべてのモノがインターネットにつながるIoTも高速通信の拡がりでさまざまなビジネスに影響を与えるという。

日本経済新聞の指摘によると、5Gで変わる業界は、製造業・エネルギー・農業・小売業・金融・医療介護・運輸・保険・教育・不動産・街の安全・外食産業・観光業・広告・マーケッティング等々であるという。ありとあらゆる業界が高速通信によるIoTの影響を受けることになる。私たちの業界はどう変化する?お客様の事業はどうなっていく?暮らしは?教育は?医療介護は?・・・・・。

そんなことを考えていたら、電車の時間も忘れ、ぼうっと夕空を見上げていた。今までは、少なくとも数年先ぐらいは見えていたが、今はまったく霧の中にいるようで見通しが効かない。

 ただ、ひとつわかることは、自分たち単独では何もできないということである。                           IT関連業種や製造業、医療介護、建設業、小売業等々との提携や他の士業との連携が生き残るカギとなるのではないかと思う。それこそ業界の垣根を越えた“共演”である。そう想いながら駅のホームに急ぐ。思っていることが眼の前に現れる。

何とホームには、連結した北海道・東北新幹線の“はやぶさ”東北・秋田新幹線の“こまち“がいるではないか!おまけにその隣には、東北新幹線のやまびこの”共演“である。何回か見たことがあるが、そうそうは見られない風景である。

路線の違う、車種の違う、行く先の違う車両が“共演”している。ここに次の時代に向かうヒントがあるのかもしれない。さあ、浜松での異業種交流会の“饗宴”に間に合うように帰途を急ぐことにしよう。

令和元年9月1日

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