再犯のない社会へ

今回は、私が参加させて頂いている法務省保護局の更正保護組織の一つである「浜松地区協力雇用主会」のことについてお話しをさせて頂きます。

この会は「特定非営利活動法人 静岡県就労支援事業者機構」の下部組織で、会の目的は「静岡県内の経済団体や事業者の協力により、罪を犯した人たちの就労支援を行い、安全で安心な社会づくりに貢献する」ことです。

【具体的な事業内容】
1.対象者を雇用した協力雇用主への支援
2.幅広い業種の協力雇用主の開拓
3.機構の財政基盤の整理
4.会員・協力雇用主等の研修・交流の実施
5.対象者に対する就職活動支援
※対象者とは罪を犯してしまったが、更生して就職を希望する人のことです

先般、更生施設の現状を知るための研修会として、「静岡刑務所」と静岡市にある「更生保護法人少年の家」を見学してきました。

静岡刑務所では、更生のための様々なプログラムが用意されており、刑務官、教育専門官、調査専門官のほか、障害を持った人や高齢者の社会復帰を社会福祉機関と連携して支援する「社会福祉士」や「精神保健福祉士」、出所後の就職に役立つ支援をする「就労支援スタッフ」などの専門スタッフが更生の支援をしていること、出所後すぐに資格取得して就労しやすくするように時流に合った資格を選定して資格取得の支援もしているという現状を知ることができました。

更生保護法人少年の家では、昭和28年から頼るべき家族や帰る家のない人たちに宿所や食事を提供し、自立するときに必要な敷金礼金等や家電の購入に必要な貯蓄の指導や就職の斡旋、飲食などに関する生活指導を通じて、一日も早い社会復帰に向けた指導をしています。

刑務所、少年の家、協力雇用主会が、なぜ、ここまで就労支援に力を入れているかというと、無職者の再犯率は72.9%、有職者の再犯率は27.1%(平成28年)と無職者の再犯率は非常に高くなります。

つまり、仕事と居場所があれば再び犯罪に手を染める人が減るということです。

静岡県就労支援事業者機構、静岡刑務所、少年の家、協力雇用主会等でそれぞれ行われている活動が、様々な事情がある中で罪を犯してしまった人たちが、再び犯罪に手を染めることなく、更生して新たな人生を歩むことが出来るように多方面から支援し「再犯のない安心で安全な社会づくり」を目指すことも、社会的なリスクマネジメントの一翼を担うのではないかと思い、広く皆さんに知って頂きたく紹介させて頂きました。

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