この花火が終わったら

 アスファルトから陽炎が上っている。灼熱の8月である。カンカン照りの今日かと思えば、一天にわかにかき曇り、雷鳴が響き渡る。不安定な天気が続いている。温暖化の影響からか、天候も経験したことのない変わり方をする。おまけにコロナ感染症の拡大から、社会は閉塞感に満ちている。そんななかで、個人的には開催に反対であったオリンピックが開催した。

 開催することによって、コロナ感染症の拡大は避けられないと思っていたが、開催したら開催したで、テレビの熱戦に夢中になってしまった。夢中になったあまり、毎月1日のこのコラムを書くことを完全に忘れてしまった。手帳には、先月31日の土曜日にコラム原稿と記載してあるにもかかわらず、完全に失念した。読者から「今月のコラムは?」と連絡をいただいて、気が付いた次第である。

 行政書士会の会長だった頃から10年間毎月1日にアップしてきたコラムを忘れてしまった。健忘症か?いや、オリンピックのせいだ。”オリンピックは怖い”。昨日も一昨日もテレビに釘付けだった。こうやって、コロナ感染症の拡大も忘れて無防備になってしまう自分がいることに改めて驚いた。

 このところのコロナ感染症の拡大は、数字をみればただ事ではないとは思う。どこの自治体でも過去最高の感染者数を報告している。しかし、職場での話題もオリンピックの話が多い。「金メダルを何個取った」「もう少しでメダルが取れたのに」そんな声が多い。オリンピックのお祭り騒ぎに現実から逃避するかのように、便乗してしまって感染が拡大しているのかもしれない。

 オリンピックの記事が大半を占める朝刊の片隅に、「デルタ株より強力なラムダ株が南米で急速拡大」と載っている。次から次へ新手の武器を身に纏うコロナウイルス。変幻自在に強さを増していくコロナウイルス。「21世紀は人類対ウイルスの戦い」と言った生物学者の言葉を忘れていた。

 コロナ感染症が拡がりはじめて一年以上になるが、ここまでが序章だったのかもしれない。本番は、このオリンピックや今月下旬に開催のパラリンピックが終わった頃から始まるのかもしれない。

 
夏の夜の花火は、花火が打ちあがっている間は、
夜空を明るく染めて綺麗だが、終わったあとは漆黒の闇が拡がるだけ。
さて、世界が苦しんでいる中、一大イベントの花火が終わった後は、どんな世界?どんな国になっているのか?

令和3年8月2日

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