2023年1月「五省」
Abemaで観たサッカーのワールドカップに熱狂した。そう言えば冬季オリンピックもあった年だった。未だに終結をみないロシアウクライナ戦争。憶えていないほどのミサイルを発射した北朝鮮。安倍元首相銃撃事件。未曾有の円安等々。社会的にも多くの出来事があった一年が終わった。個人的にもいろいろと変化の年であった。
「ああすれば良かった」「これが悪かった」「やれば良かった」「やめればよかった」etc.と反省のオンパレードである。
毎日、口から発せられている言葉がある。毎日言いながらも、その中身を忘れている。30年余りになると思う。毎朝行われる事務所の朝礼の冒頭で次の言葉を事務所全員で唱和している。
「五 省」
一、至誠に悖るなかりしか (誠心誠意一生懸命頑張ったか?)
一、言行に恥ずるなかりしか (言動に恥ずかしいことはなかったか?)
一、気力に缺くるなかりしか (気力は充分であったか?)
一、努力に憾みなかりしか (努力を惜しまず過ごしていたか?)
一、不精に亘るなかりしか (怠けたり途中で投げ出したりしなかったか?)
自分自身に問う昨日一日の反省である。
この「五省」は、海軍軍人であった父親から教えられた。教えられたことはいくつかあるが、その多くが旧日本海軍で受けた教育のことだった。常に”5分前行動”をするために時計の針は5分進めておくことなど、私がその教えを忠実に守っていることもある。(その割には時間に遅れることもあるじゃないかと言われそうだが・・)
この「五省」は、父親から繰り返し繰り返し言われたことであった。
旧日本海軍の学校では、昭和の初期からこの言葉を教えられ、一日の授業が終わり就寝前にこの「五省」を唱え、一日を反省し、明日に備えることをしていたようだ。
終戦後、日本を占領した米軍の将官がこの「五省」に感心し、これは米国海軍でも通用するものだと持ち帰り、現在も米国アナポリスにある海軍兵学校で教育に使用しているそうである。もちろん我が国の海上自衛隊でも引き続き唱和されていると聞く。そういうと軍国主義に捉えられるかもしれないが、この言葉は、誰にでも共通する自省の言葉ではないかと思い事務所の朝礼に採用しているものである。
あらためて年の初めにあたり「五省」を顧みてみる。まったくできていないことが多い。「五省」どころではない。「六省」「七省」の日々である。何のために毎日唱和しているのか?
今年こそこの「五省」を規範として日々を送ろうと・・・。
元旦に誓うのであるが・・・。

photo by kishimoto
2023年1月1日