菜の花の戦略

あきらかに陽の光の量が増えてきている。しかし、体感は寒く感じる。風の仕業である。私の住む街は、“遠州の空っ風”といわれる強い西風に追い立てられる街である。

湖西連峰を吹き降ろし、浜名湖を渡ってきた風が冷気を含んで市街地に突っこんでくる。気温は冬のそれとは違い、確実に上がってきているのに肌寒い。ストーブの灯油を買い足そうか我慢しようかと迷う季節である。

3月のコラムで予告したように「白木蓮の天使」というタイトルで4月のブログを書こうかと思っていたが、街角のあちらこちらで咲いていた白木蓮の花は、案の定“遠州の空っ風”で、飛ばされて散ってしまっている。何を書こうかと迷ったが案外簡単に見つかった。

菜の花である。猫の額ほどの我が家の菜園に咲いている。冬の間に小松菜を育てていたのだが、放っておいたらどんどん背丈が伸びて菜の花になってしまった。この齢になるまで小松菜が菜の花になるとはまったく知らなかった。家人は抜いてしまってと云ったが、捨てるには可愛そうな気がしたので、ガラスの花瓶に投げ入れてみた。私の中では、黄色が春の色である。

何故か春は黄色の花が多いような気がする。ラッパ水仙、きんぽうげ、かたばみ、黄梅等々挙げれば切りがないくらい春の花は黄色が多いようである。黄色が多いのは、自然界の中で目立つこと。なぜ目立たなければならないのか?それは彼女(?)たちの戦略なのである。目立つことにより虫に花粉を運んでもらい受粉し、子孫を残すための戦略なのである。

戦略と言えば、私たちも戦略を立てなければならない。何故なら本日4月1日から「改正出入国管理及び難民認定法」が施行される。新しい在留資格(特定技能)が創設され多くの外国人材の受入が始まる。私の住む街 浜松は、多くのブラジル人材を受け入れてきた街である。

仕事柄、そのブラジルコミュニティにも関わってきた。悲喜交々があった。今度はもっと多様な国の人達が入って来る。多文化共生社会、ダイバーシティと字面の良い言葉が並ぶが、本当にそれを実現するためには、本気になって様々な課題に取り組まなければならない。

上から目線ではなく対等のパートナーとしての受入体制の構築が急務である。また受け皿となる支援機関としての戦略を早急に立てる必要もある。
新設された在留資格(特定技能)が真の意味で、次の世代に”技能”が繋がる施策になることを、菜の花を前にしてに思う。

平成31年4月1日

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