ISO審査員の役割

今回は審査員の役割について品質マネジメントシステム(ISO9001:2015)を例にお話をさせて頂きます。

まず、品質マネジメントシステムを導入する目的は「顧客から要求されていることと法律や規制で要求されていることをちゃんと守ることにより、製品やサービスの品質を確保して顧客満足度を向上させること」です。

この目的を達成するために、品質マネジメントシステムを導入する会社ではこの国際規格に書かれている要求事項に基づいて自分の会社の手順を作成して仕事を進めることで「顧客満足の向上」を目指しています。

「審査員」は、審査対象企業が作成した手順通りに仕事が進められているかを、聞き取り、観察、文書及び記録を確認して得られた客観的事実に基づき、手順通りに仕事が進められていれば「適合」、そうでなければ「不適合」を記録し、ここは改善すると良くなりますよという改善の機会を提供します。

ここで重要なのは、客観的事実に基づくということです。

審査員の偏見や思い込みで審査されるようなことが起きれば、審査制度そのものの信頼性が損なわれてしまいますね。

信頼性を確保するための仕組みとして、さらに確認作業が続きます。

まず審査員が審査結果を「審査報告書」にまとめ、所属する審査会社に提出し審査会社が「審査報告書」と、どのように客観的事実を確認したかという記録を基に審査の信頼性をチェックします。

問題が無ければ、日本国内で審査会社を認定している公益財団法人日本適合性認定協会(略称JAB)が信頼性をチェックし、問題が無いことが確認されたら審査会社からISOの「認証証明書」が発行され、ISO認証企業であることを会社の内外に公表することができます。

ISOの認証を得ることのメリットは、社会的信頼、審査会社という第三者の視点による問題の発見、継続的に改善に取り組む活動が可能となることです。

このように、何段階ものステップを踏み、どの段階でも客観的事実を基に確認作業をして認証の信頼性を確保しています。

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