風待月の頃

新型コロナ禍のもと「新しい生活様式」の中でも、季節は巡り、もう六月。
暦を見れば、二十四節気の「芒種」となりました。

二十四節気は半月ごとの季節の変化を示すもので、「立春」「雨水」や「冬至」などは耳になじみがあると思いますが、「芒種」はイネや麦など芒(のぎ)のある作物の種をまく時期を教えてくれています。また、二十四節気を約5日ずつに分けて、気象や動植物の変化を表した七十二候では、以下の三つの候があります。

6月5日から 蟷螂生(かまきりしょうず) カマキリが卵からかえる頃
6月10日から 腐草為蛍(くされたるくさ ほたるとなる) 草の中から蛍が舞う頃
6月16日から 梅子黄(うめのみ きばむ) 梅の実が黄ばんで熟す頃

農業を基本とする暮らしでは、細やかに季節を感じ取ることが、今よりもずっと大切なことだったでしょう。それにしても昔の人は、腐った草から蛍が生まれると考えたんでしょうか?面白いですね。

さて、私は週末、よく浜松市北部の浜北森林公園を歩きます。鳥を探し、樹木や草花を見るのは、勿論、楽しいのですが、一番の楽しみは、車の通らない公園内の道を、空と木を見上げながら歩くことです。頭と心が空っぽになって、森の一部になったような気がします。

最後に、六月を詠った大好きな俳句を紹介したいと思います。正岡子規が神戸須磨で結核の療養中に詠んだ句です。

「六月を 奇麗な風の 吹くことよ」

皆さまの街にも梅雨の合間に、きれいな風がきっと吹くことでしょう。

アスカ総合事務所  河合

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