カーボンニュートラル

雲一つない青空に、早咲きの河津桜が満開となっている。衝き抜けるような青空である。こんな綺麗な青空を見ると必ず思い出すことがある。40代から下の世代の方々には、わからないかもしれないが、空の色である。1970年代は、空がいつも白っぽく靄(もや)がかかったようであった。その正体は「光化学スモッグ」である。

わが国が戦後の焼け野原から復興するにあたって、様々な産業がフル回転してモノを生産していた時代。
工場や自動車が排出するガス(チッソ酸化物や炭化水素等)が太陽の紫外線を浴びると光化学オキシダントとなり、空が白く靄った状態となった。

屋外にいると、のどの痛みや呼吸が苦しくなる症状を呈し、学校等では「光化学スモッグ注意報」が発令されると、屋外に出ないように指導していた。毎日のように光化学スモッグ注意報が出ていた。この時代もマスクは毎日欠かせないものだった。

この頃テレビで放映されていた番組に「70年代われらの世界」というものがあった。そのテーマソングが「青い地球は誰のもの」である。思い出すのは、♪青い地球は誰のもの♬で始まるメロディである。

あの頃に比べると、現在は格段に美しい青空になっている。政府をはじめ各企業が排出ガスの削減に取組んだ結果であることはいうまでもない。しかし、その裏で二酸化炭素(CO2)の排出は増大し、温室効果ガスによる地球温暖化が急速に拡大している。温暖化は、様々な弊害をもたらしている。

この100年で世界の平均海水面は16㎝も上昇し、南太平洋の島々が沈んでしまうことも危惧されている。異常気象の多発化、動植物への影響、感染症や飢饉の広がり等々、地球温暖化がもたらす影響は計り知れないものがある。
青い地球は誰のもの?誰のものでもない、今この地球に暮らすすべての生物のものであることは間違いないことである。

そこでカーボンニュートラルというキーワードである。カーボンニュートラルとは、ライフサイクル全体で計ったときにCO2二酸化炭素の排出量と吸収量がニュートラル(イコール)になることである。カーボンを使用しないエネルギーへの切り替え、廃棄物の削減、電気自動車による削減、森林再生のための植林等々、政府・自治体・企業・組織等がこぞって取り組まなければならない課題である。

2017年にフランスで開催された”ワン・プラネット・サミット”で、2050年までにカーボンニュートラルを達成する「カーボンニュートラル連合」が結成された。この組織には、日本をはじめイギリス・フランス・ドイツ・カナダ等29か国が加盟しているが、残念ながらCO2の大量排出国であるアメリカ・中国・ロシアは参加していない。

それでも私たちは、CO2削減に向かってできることから始めなければならない。特に、ビジネスはすべてカーボンニュートラルに取り組んでいるのか?を問われるようになるであろう。
“青い地球は誰のもの♬” そう、地球の未来を託す子供たちのために! 世界のどこでも青空が見えるように!

令和3年3月1日

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