建設技能者の能力評価制度について

アスカ総合事務所の内藤です。今回は、建設技能者の能力評価制度について、お知らせいたします。(長文ですがお付き合いください…✨)

1.社会性等(W点)の改正に伴う現状

 令和5年8月14日以降を審査基準日とする経営事項審査より、就業履歴を蓄積するために必要な措置を実施したことによる加点が導入されました。これにより、社会性(W点)の総合評定値(P点)への換算式が変更になり、昨年と同じ状況で経営事項審査を受審した場合、総合評定値が無条件に低下する仕組みとなりました。

変更例1令和5年令和6年
W点の合計値5050
(W)  475(50×1900/200)    437.5(50×1750/200)  
  P点への換算値  71.25(475×0.15)65.625(437.5×0.15)
変更前後の差5.625
変更例2令和5年令和6年
W点の合計値100100
(W)  950(100×1900/200)    875(100×1750/200)  
  P点への換算値  142.5(950×0.15)131.25(875×0.15)
変更前後の差11.25

 上記の例のとおり、前年と比較してW点に変化がない場合には、W点が下がりP点に影響を及ぼすことになるため、W点の加点に向けた新たな取り組みが必要となります。

2.能力評価制度とは

 建設キャリアアップシステムに登録される技能者の技能と経験について能力評価をする制度で、国土交通大臣が認定した能力評価基準に基づき、分野ごとの能力評価実施団体が評価を行います。この能力評価の実施状況により、経営事項審査の加点対象となります。

【参考1】能力評価の概要
  建設市場整備:【CCUSポータル】 能力評価制度について – 国土交通省 (mlit.go.jp)

【参考2】経営事項審査上の取扱い
  ①知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況(社会性:W1-8
   審査基準日以前3年間のうちに、能力評価制度によりレベルが向上した技能者がいる場合、その割合に応じて加点の対象となります。(P点換算13点~0点)

  ②種類別技術職員数の評点(技術力:Z
   能力評価制度によりレベル4またはレベル3の評価を受けた場合、対応する業種の技術職員として加点の対象となります。
   なお、評価を受けた職種により、対応する業種が異なります。

【参考3】対応業種の例

認定能力評価基準対応業種
電気工事技能者能力評価基準電気、電気通信
機械土工技能者能力評価基準とび・土工、土木
エクステリア技能者能力評価基準  とび・土工、石、タイル・れんが・ブロツク  
外壁仕上技能者能力評価基準左官、塗装、防水
   道路標識・路面標示技能者能力評価基準   とび・土工、塗装
(静岡県令和5年度経営事項審査申請要領(令和5年4月1日版)より一部抜粋)

3.建設キャリアアップシステムをめぐる状況

 静岡県の総合評価落札方式で加点の対象になっていた建設キャリアアップシステム事業者登録の加点が令和5年6月に廃止されました。これは格付対象業種の入札参加有資格者の半数以上が事業者登録を終えたことによる措置です。この措置は、建設キャリアアップシステムの現況が普及促進から活用促進へ段階を移行しつつあることを示しており、同様の動きが県内の他の市町にも広がっていくことが予想されます。

 また、静岡県は能力評価を活用して経営事項審査の加点を受けている企業数が全国最多であり、これが建通新聞により報じられました。静岡県内においては、今後さらに能力評価を活用する企業が増えることが予想されます。

4.能力評価実施上の注意

 経営事項審査の加点のうち、知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況の項目は、レベルが向上した審査基準日から3年間有効です。令和6年度は、静岡県や浜松市をはじめ、多くの市町が令和7・8年度の入札参加資格審査を実施する年です。技術者・技能者の数等により加点の幅は異なりますが、レベル向上の有効期間を最大限活用するには、2年ごとの入札参加資格審査に漏れなく反映されるよう、計画的に実施しなければなりません。

 また、能力評価申請で重要なことは、自社が最も有利になるように実施することです。
 そのためには、申請前に、能力評価基準に適合するよう技能者一人ひとりの登録内容を整備する必要があり、その申請方法は、40以上ある能力評価実施団体により異なります。
 能力評価の活用について、少しでもご不明な点、お困りのことがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

行政書士法人アスカ総合事務所
内藤 和也