2018年5月1日 / Last updated : 2021年12月6日 岸本 一輝 理事長ブログ 風薫る 今年の春はあっという間にどこかに行ってしまった。いつもより早く桜が咲き、いち早く春の訪れを感じさせたが、5月の連休に咲き誇る街路のツツジも、4月の終わりには散っていた。新緑も真夏のような繁りぐあいとなり、もう既に全国的に […]
2018年4月1日 / Last updated : 2021年12月6日 岸本 一輝 理事長ブログ あおによし 春を前にした小路は、寒いのか、暖かいのか。入替り立代りで交差していた。ちょっと早いペースで歩けば汗ばむ。風が吹けばヒンヤリした空気が背中をなぞっていく。ずいぶん歩いてきたような気がする。その平地はあてどもなく続いているよ […]
2018年3月1日 / Last updated : 2021年12月6日 岸本 一輝 理事長ブログ 煙のゆくえ 風はまだ冷たいが、確実に日射しは強くなってきている。暖かい春がそこまで来ている。以前は生暖かい春が嫌いであったが、歳を重ねたせいか暖かさが恋しい。ぬくぬくとして生きて行きたいと思うが、現実にはなかなか難しい。 やらねばな […]
2018年2月1日 / Last updated : 2021年12月6日 岸本 一輝 理事長ブログ OI 子供の頃から寒いこの時季が好きだった。凍った霜柱を足で踏みつけて霜柱が壊れていく音。池に張った氷を野球のバットでたたいて割っていく面白さ。強い風のなかの凧上げ。糸が切れ、凧は遥か彼方に飛んでいってしまう。息が切れるほど走 […]
2018年1月1日 / Last updated : 2021年12月6日 岸本 一輝 理事長ブログ 定礎 “今日ママンが死んだ”とアルベール・カミュの「異邦人」の冒頭の言葉が、母の心臓マッサージを必死にしている私の頭の中に浮かんでいた。「起きろ!眼を開けろ!」と言いながらも、母はもう帰らないと思った。冷たい息子であると思う。 […]
2017年12月1日 / Last updated : 2021年12月6日 岸本 一輝 理事長ブログ 師走の一日 朝起きて、夜のうちに溜まった枯葉を掃く。頬を撫ぜる風が冷たい。息が白い。指先が悴む。ふと気づく。庭の片隅に石蕗が咲いている。植えたものではない。どこからか飛んできて自生したのであろう。それも白い椿の木に絡んで咲いている。 […]
2017年10月1日 / Last updated : 2021年12月6日 岸本 一輝 理事長ブログ 扁桃体 蒼色と緋色が、せめぎ合っている。蒼は青になり藍になる。緋は紅になり朱になる。夜色の世界が来る前に、空は一日の終わりを告げるようにあがいている。息を忘れるような美しさもあるが身震いするほどの恐怖も覚える。これからやってくる […]
2017年9月1日 / Last updated : 2021年12月6日 岸本 一輝 理事長ブログ piano forte “猫じゃらし”が、揺れている。風と遊んでいるのか、風に遊ばれているのか判らないが草むらで揺れている。季節は夏から秋へのページに替わったようである。気が付けば9月である。子供の頃、特にこの9月1日の朝は、深いブルーであった […]
2017年8月1日 / Last updated : 2021年12月6日 岸本 一輝 理事長ブログ 忘却曲線 かげろうに道路が揺らいでいる。額から汗が滴りおちる。汗をぬぐいながら駅に着く。乗車予定の電車の発車にはまだ早いが、ホームの階段を上りはじめる。電車到着のベルが鳴っている。もう電車が入って来るのかと思いながらホームに駆け上 […]