春の日

 あっという間に4月…。普段通勤で利用している駅や電車では、リクルートスーツに身を包んだ就活生や、新入社員と思しき人たちを多く見かける時期ですが、先日、「配属ガチャ」という言葉が紹介されている記事を目にしました。記事によると、新卒採用後の配属について、勤務地や部署などの配属がどうなるか、運次第で引いてみないとわからないゲームの「ガチャ」になぞらえた言葉であるとのこと。思い返してみると私が新卒で入社した企業も「配属ガチャ」がありました。

 当時の私は営業職を希望していたのですが、配属は営業の「え」の字も無い技術職場に企画職としての配属…。将来的な異動はあるとしても5年先以降とのことで、まさしく配属ガチャ失敗!のような、鬱屈とした思いを抱えての配属でした。そんな状態で配属されたものですから、仕事ははっきり言って全くやる気がありませんでしたが、その職場の上司や先輩に恵まれ、5年目の終わりに異動する頃には仕事が面白くて仕方ない、といった状態になっていました。

その後念願叶い、新卒時に希望していた営業職に異動、「転属」ガチャ成功!となったわけですが、まぁこれが過酷な職場で…。仕事をしない上司、卑屈な業務方針、異常な長時間労働、各種ハラスメントの横行と、もはやブラックを通り越して暗黒という表現が適切な職場でした(笑)。本来は面白い仕事であるはずなのですが、あまりにも暗黒な環境に自身も含め皆疲弊しきっており、楽しむ余裕は皆無、といった状況でした。

 そんな感じで今振り返ってみると、配属当時は失敗だと思った希望通りの職種じゃなくても仕事は面白くなったし、その逆も然りだったな、と感じます。記事では配属ガチャに失敗したとして入社後早々に退職するケースが挙げられていましたが、良い上司や先輩に恵まれるなど他に良い要素があれば、そのうち仕事に楽しみも見いだせるのではないでしょうか。私も気持ちを新たに頑張っていこうと思った春の日でした。

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 そういえば、新卒時代の私は、毎朝フレックス勤務の出社時間帯ギリギリに駆け込み出社し、午後は自席を離れてコッソリ昼寝、夜は憂さ晴らしで夜な夜な飲み歩く、勿論仕事も超適当…。まぁ一言で言えばダメ社員そのもの(笑)。
しかし、上司や先輩方はダメな社員でも怒鳴ることも無く、仕事を任せ、ダメ社員があるべき姿に気づくまで気長に待っていてくれたわけです。本当に素晴らしい上司、先輩方だったなぁと思います。


 そんな元上司・先輩方とつい先日、久しぶりにゴルフのラウンドに行ってきました。当日も当時同様にダメなゴルファーである私でしたが、今回は気長に待っていただくわけにも行かず、ボールを追って右に左に沢山走ることになったのでした(笑)。まぁ、楽しい一日だったので良し、ということで…。

岸本一輝