Society5.0

傘を閉じようと思うが、たためば濡れる雨が降っている。小糠雨である。所用のため駅までの道を急ぐ、アスファルトに落ちた雨が側溝に流れて行く。足元は濡れるものの、泥撥ねはない。何処の街に出掛けても、道は整備され、靴が泥にまみれることはない。そもそもほとんどの道が舗道となり、雨の日に長靴を履くこともなくなっていた。いつの頃からだろう。

学生時代はまだ未舗装の道があった。雨上がりにバイクで走れば、背中まで泥が付いた。乾いた道路では、土煙が舞い、雨が降ればぬかるみとなった。自動車の普及に伴って日本中から砂利道・轍のついた土の道は消えた。

そんなことを考えながら、鞄を肩に掛け、片手で傘を持ち、もう片方でスマートフォンを開く。次に乗車する新幹線のチケットの予約をするためである。この方法で新幹線に乗るようになって彼此10年は過ぎただろうか。在来線も含めて切符を購入することはない。

スマートフォンが点滅している。西方地域大雨のため、電車が遅れていることを伝えている。歩く速度が急に遅くなる。あらためてスマートフォンを確認する。お客様から相談のラインが入っている。足を止めて返信をする。これでひとつ仕事を消化できた。滲む汗を拭きながら駅に着く。駅の構内には、あちらこちらに監視カメラが備え付けられている。

これが、現在のSociety4.0の社会なのである。最近“Society5.0“という言葉を頻繁に見聞きする。Society4.0は、情報があふれている情報社会。それより以前は、Society1.0(狩猟社会)Society2.0(農耕社会)Society3.0(工業社会)であり、これからは”Society5.0”の時代であるという。

あらためて調べてみる。”Society5.0”とは、「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に優遇させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立させる人間中心の社会」とある。
泥んこ道を面白がって走っていた世代には、よく判らないが、判らないままにイメージしてこういう社会なのかと思う。

「AIやドローン、自動運転、キャッシュレス等々あらゆるものがインターネットにつながり、つながることによって我が国が抱える人口減少・少子高齢化・労働力不足・地域間格差の諸課題を補っていく社会のこと。」

しかし、いずれにしてもSociety3.0から”Society5.0”までの時代を生きられることを幸運なことだと思う。なぜなら子供の頃、夢中になった鉄腕アトムの世界や、学生時代に出会ったドラエもんの世界が、すぐそこまでやって来ているからである。

今から10年も経てば「宅配便はドローンに決まっているが、昔は人間が自動車を運転して宅配便を届けていたのだって。」という会話がされているのだろう。
では、乗り遅れないように竹コプターならぬドローンの飛行許可申請業務を進めるとしよう。

令和元年7月1日

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