令和2年度 地域別最低賃金が決定しました

令和2年度(2020年度)の最低賃金が正式に決定しました。

全国加重平均では、前年度比1円の上昇となっています。

詳細は、こちらをご覧ください。


当事務所がある静岡県の最低賃金の引き上げ額は0円となり、885円のまま据え置きです。

静岡県は、4年連続で毎年25円前後の引き上げが続いていました。

2015年から2019年の4年間で、783円から885円に、実に102円の上昇です。

1ヶ月の労働時間を160時間として考えると、4年前と比較して1ヶ月16,320円を昇給したことになります。


中小零細企業からは、最低賃金額の引上げスピードが早すぎて、苦慮している声を聞きます。

現在のコロナ禍で、最低賃金額はどうなってしまうのか?と注目していましたが、今年度の引き上げ額が静岡県は0円、他の都道府県も3円以内という結果になり、少しほっとしました。

最低賃金額を引き上げることに反対する理由はないのですが、少しペースが早すぎると感じますし、東京をはじめとする大都市と地方の最低賃金額の差が広がっていることが気がかりです。

大都市と地方の賃金格差はここ数年でさらに広がり、大都市、特に東京一極集中の傾向が賃金や労働者の移動といったことからも感じ取れます。

2020年度の東京都の最低賃金は1013円です。

愛知県は、927円。
当事務所から数十キロも移動すれば愛知県になりますので、その差42円は県境にある企業にとって様々な問題が発生します。

全国加重平均額が902円。

この902円を超える最低賃金額となっているのは、僅か7都府県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛知県、大阪府、京都府)です。

最低賃金額が800円を下回る県は、16県。

2020年度で最低賃金額が最も低いのは、792円で7県(秋田県、鳥取県、島根県、高知県、佐賀県、大分県、沖縄県)です。

東京都の1013円と比較すると、221円も差があります。

その地域の物価や、暮らし方、就労環境も異なりますが、最低賃金で221円の差は非常に大きなものと感じます。

中小零細企業では、最低賃金水準の給与で支払っていることも珍しくありません。

急激な上昇により、企業の収益構造と、人件費のバランスが崩れてしまい、そのバランスを取り戻すのに苦労されている企業も多いと思います。

とはいえ、「最低賃金」ですので、収益を出して、最低賃金を気にせずに、賃金として従業員に還元できるような企業が増加することが望ましいのですが…

そんな社会となるために、新型コロナウイルスの感染拡大が1日でも早く収束し、経済活動が活発になることを祈るばかりです。

アスカ総合事務所 佐野

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