《思うままに》2019年2月「沈丁花」

庭に出る。頬を切っていく風が冷たい。しかし、春の匂いがする。沈丁花の花が咲こうとしている。去年の台風による塩害で、葉が枯れてしまった沈丁花である。今更ながらいのちの強さを思う。春が近づいてくれば、正確な時計のように復活してくる。

自然の大いなる力にあらためて畏敬の念を感ずる。少々気障であるが、歌人若山牧水の和歌が思い出される。「いまだは咲かぬ 葉がくれの 紅(くれない)蕾 匂いこぼるる」である。

ここまで思い出したところで、エンドウ君の顔が頭をよぎる。昨春、新卒で当事務所に入社した職員である。法学部であることから当事務所の業務には無くてはならない基本素養を持っていることから採用したものである。

以来1年弱勤務している。最近は積極的に電話にも応じ、着々と成長しているかとも思う。
しかし、牧水の歌のように“いまだは咲かぬ くれないのつぼみ”である。
これからいくつもの春夏秋冬や幾星霜を乗り越えて、塩害にも負けない逞しいものに育ってもらいたいと願うものである。

2019年2月15日

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